【環境を整えたら とっとと書け】『書くのがしんどい』(前編)【書評・要約】

【環境を整えたら とっとと書け】『書くのがしんどい』(前編)【書評・要約】

今回は、Kindle unlimitedで見つけた竹村俊助さんの『書くのがしんどい』を紹介します。

  • 文章が上手に書けない
  • 書くことが見つからない
  • 面白いことが書けない

このような悩みを持っている方にとてもオススメできる本です。
(初の書評なので、要点書き殴ってるレベルです。「むしろそれがいい!」という方は読み進めてください。)

エルフューチャー株式会社を辞めて、「書く仕事がしたい」と決めたので、このジャンルの本を何冊か読むことにしました。

そもそも「書く仕事」と言っても、

  • 自分自身のブログを使って稼ぐイメージ(アドセンスやアフィリエイト)
  • テーマに沿った記事を仕上げて稼ぐイメージ(1文字◯円や1記事◯円のような案件)
  • 書籍出版などの印税で稼ぐイメージ

など、いろいろな働き方がある気がしました。

まずはライティングなどの「スキル」ではなく、「どのような心持ちで仕事をしているのか?」「どのように仕事をとっていくのか?」などの「働き方」を知るべく本を漁っていました。
ゴールもなく書き進めても、モチベーションが保てなくなるかもしれないので。

それでは本編スタートです!!

できないことつぶして、環境を整え、さっさと書き殴れ

環境を整えたら、あとは書き殴るだけです。

要点

この本を一言でまとめると

「書くための環境を整えて、いいからさっさと書け」

です!

「じゃあどうやって環境を整えればいいの?」と思っている僕のような人に、このまま読み進めて欲しい一冊です。

この記事の流れ

この記事では、章(Chapter)ごとに分けつつ、「これは記録して残しておきたい」という内容のものをつらつら書いていきます!

文章が下手で長くなってしまっているので、記事を2つに分けようと思います!
前編は「はじめに」とChapter1〜3、後編はChapter4〜6です。

『書くのがしんどい』の紹介

著者:竹村 俊助(たけむら しゅんすけ)
<著者略歴>
竹村俊助(たけむら・しゅんすけ)/編集者、株式会社WORDS代表取締役
1980年岐阜県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本実業出版社に入社。書店営業とPRを経験した後、中経出版で編集者としてのキャリアをスタート。その後、星海社、ダイヤモンド社を経て、2019年に株式会社WORDS代表取締役に就任。SNS時代の「伝わる文章」を探求している。主な編集・ライティング担当作は『段取りの教科書』(水野学)、『ぼくらの仮説が世界をつくる』(佐渡島庸平、以上ダイヤモンド社)、『メモの魔力』(前田裕二)、『実験思考』(光本勇介、以上幻冬舎)など。手掛けた書籍は累計100万部以上。オンラインメディア「note」に投稿した「WORDSの文章教室」は累計150万PVを超える。
(Amazonの「著者について」の欄より引用)

「はじめに」で著者が伝えたいこと

書けない原因は「スキル」ではなく「メンタル」にある

上の要点でも書いたように、「文章なんて、誰だって書けます」と著者は言っています。

みんな、毎日何かしら「書いて」はいるのです。

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle8ページ

とあるように、文章を上手に書けないっていう人も、人とおしゃべりしたり、友だちにLINEを送ったりはできます。伝えたいことがあれば、文章は書けるんです。

書けない原因は「スキル」ではなく「メンタル」にあります。

ここでは2点だけポイントを伝えています。

1点目は

大切なのは、「書こう」とすることではなく「伝えよう」とすること

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle10ページ

2点目は

人は文章を「ゼロから生み出す」のは難しくても「すでにある文章を修正する」ことはできる

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle10ページ

ということです。

LINEだってメールだって、誰かに何かを伝えようとするから自然に「書く」ことができます。堅苦しく考えることはないんです。

そして、ほとんどの人は、他人の文章を見て評価することは簡単にできます。

つまり、著者役と編集者役で、一人二役をすればいいのです!!

書くのがしんどい原因と対策

「著者」として書き殴って、あとで「編集者」として推敲をする

「著者」として体裁とか気にせずに下手でもいいからダダーッと書きなぐる。そのあと「編集者」となり文章を推敲して、整えていく。
これが基本戦略です。

この本では「書くのがしんどい」原因を、次の5種類に分けて説明しています。

  • 書くことがなくてしんどい
  • 伝わらなくてしんどい
  • 読まれなくてしんどい
  • つまらなくてしんどい
  • 続かなくてしんどい

これらを一つずつ潰していくことで

  • 書くことが見つかる
  • 文章がわかりやすくなる
  • 多くの人に読まれる
  • 読み手の気持ちを動かせる
  • 書くことが習慣化する

上記のように、「書くのが楽しい!」に行き着く構成になっています。

この本をよんだら、さっそく書き始めましょう!

書くスキルを高めることで、あなたの仕事のクオリティは上がります

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle15ページ

何かを提案し発信することで、誰かに価値を提供できると思っています。提案や発信する内容を考えるためには、文章を使う必要があります。

また、コミュニケーションなしでは仕事をしていくことは困難です。文章は、そのコミュニケーションをスムーズにすることもできます。

つまり

「書く」ことは人生をも変えうる力を持って

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle15ページ

いるんです。

ということで、僕をはじめとして、これを読んでくださっているあなたも、どんどん「書いて」いきましょう!

Chapter1 書くことがなくてしんどい

書くことがない状態に陥りがち。書くことを見つける方法はあります

ここでは、「書き始めるためにどうしたら良いか?」が書かれています。

どう書くか?よりも、何を書くか?のネタにこだわれ

おもしろい文章は、中身がおもしろい。
お笑い芸人のような話のプロではないので、なんでもかんでも面白く話すのは難しいものです。
「中身がおもしろい」文章にする方が、僕たち素人には取り組みやすいはず。

「どうやっておもしろい中身にするのか?」が気になる方は、ぜひこの本を一読してください!
この記事だけでも、そのヒントは見つけられるはず…です。

自分のことを書こうとしなくていい。他者を語れば「自分の輪郭」が明確になる

他者を語ることが、自分を語ることにもなる

「書くことがない」と悩む人には共通点があります。
それは「自分のこと」を書こうとしていることです。自分の中にコンテンツがないとダメだ、と思っているのです。

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle30ページ

こんなふうに思う人が多いそうです。
しかし、自分の中にコンテンツがなくとも、発信はできます。
その抱負は、「まずは他人のこと、まわりのことを発信」すれば良いのです。

自分のことを語ろうとすると、どうしても他者を語ることになる。というよりも、他者を語ることで「自分の輪郭」が明確になっていく

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle31ページ

上の文章だとちょっと分かりにくいので、具体例を挙げます。
たとえば「自分を説明してください」と言われたら、自分の興味のあるものや周りの環境など(つまり「他者」)を語りますよね?
「自分」を説明するためには「他者」を語ることが不可欠です。他者を語ることで、「自分の輪郭」が明確になっていきます。
つまり、自分以外の何かを取材して、そのことについて書けば良いのです!

そのために「取材マインド」を身につける必要があります。
「これって意味あるのか?」「こうだったらいいのになあ」「こうしたほうがいいよね」と思ったらメモをして覚えておく。
ネタを見つけたらどんなに些細なことでも、とにかくメモ。

取材マインドを持って周りを見たり、誰かと話したり、動いたりするからこそ、書くことが自然に溜まっていきます。

「ライティング」の前に「ヒアリング」の技術を磨け

「何を書くか」以前に「何を聞くか」に力を注ぐべきです。目の前の人から何を聞き出すか?取材は文章の質を左右する真剣勝負なのです。

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle48ページ

そこで、取材を面白くする方法は3つ

  1. 人生相談をする
  2. 時事ニュースについて聞く
  3. 自分ならこう考えますけどねという聞き方をする

これらを上手に組み合わせます。

ヒアリングのコツは、その人の「過去、現在、未来」について聞くことです。
つい人は現在のことばかり聞きがちですが、過去や未来のことを聞くと話も盛り上がったり、意外な話が聞けるかもしれません。

ここで使える魔法の質問があります。
それが「いつからですか?」という聞き方です。
これを使うと、自然と過去の話を聞き出すことができます。

ハードル低く始め、全体を通して一度完成させる

一旦最後まで完成させることが大切

最初からわかりやすくておもしろい文章が書ける人なんてほぼいません。

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle53ページ

最初の段階では考えすぎず、どんどん書き出していきましょう。どんなに雑でもいいので、書きたいことを原稿の上にバーッと並べていけばいいのです。

イメージとしては「漆塗り」のように書くことです。

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle54ページ

一気にバーッと書いて最後まで行ってしまうことが大切です。
そしてまた、最初に戻ってバーッと書き直していきます。このやり方だと、まず全体が見えるのでモチベーションも下がりにくくなります

その方法として、音声入力が挙げられています。ICレコーダーやスマホの録音アプリに支離滅裂でいいから録音して、それを文字起こしをして素材を生み出す方法です。

このときに注意するのは「きれいな日本語で話せているか?」ではなく、「言いたいことが言えているか?」です。
「話すように書く」ことは難しくても、たいていの人は「話す」ことはできます。「言いたいことの核」さえあれば、音声入力は成功です!
他の部分でも出てきますが、「書き手」として一旦文章を完成させましょう。それを「編集者」として推敲することは意外とラクにできます。

最近だとGoogleが出しているスマートフォン「Pixel」シリーズには、リアルタイム文字起こし機能のあるボイスレコーダーアプリが搭載されています。(10年ぶりにAndroid使ってみたい欲が出てきて、勢いでサブ端末として買いました)

Pixelのボイスレコーダーアプリを使って、リアルタイム文字起こしをした時のスクリーンショット
Pixel7の「レコーダー」アプリでのリアルタイム文字起こし

文字起こしの精度もかなり高いので、それをコピペするのもありです。
Google Docsの文字起こしなども良いと思います!

ネタを寝かせて熟成させる

取材マインドを持ってネタが集まってきたら、そのネタを寝かせて熟成させましょう。
熟成させるとは具体的に、

  • ネタをふくらませる
  • ネタを整理する

の2つが挙げられます。

1. ネタをふくらませるヒント

ふくらませるヒントとなるキーワードは4つです。

ネタをふくらませるためのキーワード4つ

  • 「つまり?」:抽象化する
  • 「たとえば?」:具体化する
  • 「それで?」:思考を前に進める
  • 「そもそも?」:思考の根本を探る

これらのキーワードを使って、ネタをさまざまな角度から見てみましょう。

2. 文章を書く前にネタを整理する

そもそも、文章を書く前には考えるプロセスが必要です。みんな考えながら書こうとするから手が止まります。「考える時間」と「書く時間」を分けるのがポイントです。

素材を真剣に向き合わなければ、ネタからおもしろい文章に育てることはできません。
ネタを整理して、「一番言いたいことは?」「この順番で書けば伝わりそうかな」と思考を整理しましょう!

書くための企画の立て方

企画の立て方はおおまかに次の順序です。

  1. 「悩み」を探る
  2. 「誰に会って」「何を聞きたいか」を考える
  3. 「怒り」を探る

それぞれをもう少し具体的に説明します。

1. 読者ターゲットは「過去の自分」

悩みはそのまま企画になります。世の中には同じような悩みを抱えている人もいるはずです。
どうやって解決したのか?を記事にしておくことは価値があります。

2. 誰に会って、何を聞きたいか

上で述べたように、「他者を語ることで自分の輪郭が明確になる」ので、他者を取材しましょう。
「どんな人」と「どんな話」をすれば、自分の輪郭が分かるのかを考えてみましょう。

3. 怒りで自分自身の問題意識がわかる

怒りは、自分自身が問題意識を持っている場所です。1の「悩み」と似たような側面があります。
怒りの対象や状況に対して、

  • 「自分だったらどうするか?」
  • 「どうしたらもっと良くなるか?」
  • 「この状況になっている根本的な原因は何か?」

などと思考を巡らすことができます。その視点がネタになり、企画になります。

Chapter2 伝わらなくてしんどい

理解してくれない相手のせいにしがち。理解しやすいわかりやすい文章を書く方法があります

ここでは「わかりやすい文章」を書くための方法が書かれています。

まず整理しておくと、著者は「わかりやすい文章」を

読む速度と理解する速度が一致する文章

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle73ページ

と定義しています。

その前提として大切なのは、書き手が内容をきちんと理解しているということです。
書き手が理解していないものを読み手が理解できるはずがありません。10を説明するためには、100を知っている必要があります。

一文をなるべく短くする

よく言われることですが、「一文をなるべく短く」しましょう。
一度にすべてを伝えようとするからわかりにくくなります。「AはBです」とシンプルに言い切ることが大切です。読み手に確認するように、一つひとつ書いていきましょう。

それと、「ちょうどいい濃度」であることもわかりやすい文の特徴です。逆に難しくなりがちな文章の特徴は、熟語がたくさん出てくることです。
書き手がきちんと中身を理解して、噛み砕いた表現にしたり、過不足なくもっとシンプルに言えないか?と考えたりする必要があります。

削れるものは削れ

削ることのできるものは、なるべく削る。「これ必要かな?」と思ったらまず削る!
具体例をいくつか挙げます。

説明しなくていいもの(形容詞の強調の言葉)
「うちで飼っている犬と一緒に」も「愛犬と」と表現することができるので、上の噛み砕いた表現を意識しつつ、熟語を上手に使うべし。
「私は」「思います」
あえて言わなくてもわかる場合が多く、当たり前なのでけっこう削れる。
「という」
不要なことが多いので注意。外してみて違和感がなければ外しましょう。
前置き
わざわざ言わなくてもわかるような部分は全部カットする。

上のような削れるものはどんどん削りましょう!
短い文章で伝わるなら、それに越したことはありません。短く洗練された文章にこそ価値があります!

文章の「デザイン」を考える

いまは情報があふれかえっていて、「読むか読まないか」を一瞬で判断される時代です。そのときに、パッと見て「読みやすそう」と思われることはますます重要になってきています。

プロの作家やコラムニストの文章は、きちんと「デザイン」されています。
そのポイントは、

  1. 4〜5行くらいで改行する
  2. 迷ったら「ひらく」

この2点です。

「ひらく」とは、漢字とひらがなのどちらでも表現できる言葉を「ひらがな」で書くことです。
例えば、「ありがとうございます」はひらいており、「有難う御座います」はとじています。
ひらがなを多くしたほうがプロっぽく、頭がよく見えます。

コピーライターやエッセイストとして有名な糸井重里さんは、読みやすくするためではなく、読みにくくするためにひらがなを使うこともあるそうです。
読むスピードを落として、じっくり噛み締めるように読んで欲しい時に、あえてひらがなにするそうです。
読みにくい部分は、明らかに読むスピードが遅くなります。

えんちゃん
えんちゃん

ぜんぶひらくと、こんなかんじになります。おそくなりますよね?(実践してみた)

「論理的=わかる」文章を作れ

文章は「わかりやすく=論理的」に書く必要がある

「論理的に書きましょう」とよく言われます。この本では、「論理的=わかる」と定義しています。
最初から最後まできちんとつながっている文章になっていれば、それは「論理的」な文章だと言えるでしょう。

書いた文章を時間をおいて何回か読んでみると、「ここ飛躍してるな」とか「なんでここから全然別の話になっているの」と引っかかる部分が出てきます。そこを一つひとつ直していくことで論理的な文章に近づけていきます。
いちばんいいのが、他人に読んでもらうことです。フィードバックをもらうと成長スピードが段違いです。

会話は必ず「論理的」になっています。
会話を一人称に整えると、論理的な文章になります。会話から文章にしていくのは、論理的な文章を生み出すいちばん簡単な方法です!
ずっと1人で書いていると、論理が飛躍したり、長々とみんなが知っている話をしてしまう危険性もあります。1人で書くのは実は難しいのです。

中高生でも知っていることは省略してもいい

読み手にどれくらい「前提知識」があるか?によって、どこまで説明を省略しても良いかが決まります。

たとえば、同じ内容の記事であっても

  • 「まわりの社長がスゴすぎて、吐きそう」
  • 「動画3.0時代を牽引するベンチャー経営者の挑戦」

の2つのタイトルであれば、前者の方は特に前提知識がなくても興味をもってもらえそうです。

SNSなどを使って不特定多数の人に文章を届けたいのであれば、上の例のように中高生くらいの人にも理解できるように書く必要があります。逆に言えば、この場合は中高生でも知っていることは省略してもいいということ。
「中高生くらいの人にもわかるように書きましょう」と言われるのは、中高生はどの業界にも属しておらず、前提知識が共通しているからです。

上記の「削れるものは削れ」の部分でも触れているように、無駄なものは削りましょう!

まず結論を言う。強調している部分はどこかわかるように

まず結論を言いましょう。それを補うために、理由、例、詳細を言います。

結論とその他の要素の関係を示した図
「結論」とその他の要素の関係図(「書くのがしんどい」108p)

上の画像のように、とにかく結論を補強するために、理由や例を使うのが基本です。理由や例は複数あることで、家を支える柱が増えるので頑丈な文章ができあがります。

また、「重心」のある文章になっているか?を考えましょう。4章で書かれていた言い方だと「サビ」のある文章かどうか?です。

ひとつの文章で言いたいことは一つにする

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle110ページ

この原則を徹底して、重心をハッキリさせましょう。書き手が何を伝えたいのかハッキリしない文章は、自分から離れた遠くまで飛んでいってくれません。

仮に1万字書いても、8000字が面白くなければ、2000字の原稿にする勇気が求められています。そもそも、本題から外れている部分が8000字もあるなら、文章を分けてしまえば良いのです。

えんちゃん
えんちゃん

今の僕では「せっかく1万字書いたのに…」と思ってしまいそうですが、別の文章に転用できるとなると、「無駄ではなかった!」と一安心してしまいますw

Chapter3 読まれなくてしんどい

わかりやすいだけの文章では読まれない。好奇心のない人に届ける方法があります。

ここまでは、書くことを見つけて書き始め、伝わるようなわかりやすい文章を書くための方法をお伝えしてきました。ただ、わかりやすいだけの文章では読まれません。
ここでは、文章は基本的に「読まれない」ものと考え、好奇心がない人にも届けるための方法が書かれています。

「自分が読者だった場合、それを本当に読みたいか?」の視点を大切にしましょう。
自分が読みたくないような文章は、誰も読んでくれません。せめて自分だけは読みたいと思える文章を!自分の記事の1番のファンは自分!

ターゲットをどうするか問題

誰に向かって書かれているのか?が大切

「どの層に向けて書かれたものかをはっきりさせろ」と言う編集者もいます。
ただ、著者は、常に自分をターゲットにしてきたそうです。さきほどお伝えした「自分の記事の1番のファンは自分」にも通づる考え方です。
場合によっては他人をターゲットにせざるを得ない場合もあります。そこで意識するのは、「たった一人に届ける」ということです。(本書では「虫めがね理論」と呼んでいます)

「東京に住む30代男性」のような区切り方ではなく、もっと細かくターゲット(ペルソナ)を設定します。たとえば、「自分の父親が読みたいと思うもの」「姪っ子の○○ちゃんが読みたいと思うもの」のように「たった一人」にターゲットを絞ります。
「たった一人」に絞ることで、「ターゲットならどう考えるだろう?」と思考を深読みしやすくなります。

1人の分析を駆使する手法である「N1分析」や「N=1マーケティング」の考え方そのものだと思いました。これは、Strategy Partners代表取締役の西口一希氏が提唱しているものです。
詳しくは『実践 顧客起点マーケティング』を参照してください。(西口一希「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング」,翔泳社,2019年4月)

「無邪気な書き手」と「イジワルな編集者」で文章を完成させる

読まれる文章を書くためには自分の中に、「無邪気な書き手」と「イジワルな編集者」を作り出す必要があります。

まずは、「無邪気な書き手」となり、ひたすら主観的に書いていきます。
少し時間を置いたら「イジワルな編集者」となり、

  • 「てにをは」
  • 「ここは文章が間違っている」
  • 「論理がおかしい」
  • 「ここは言い過ぎかも」

と客観的に見ながら整理していきます。

ポイントは、書く段階ではイジワルにならないこと。イジワルな書き手だと本当に何も書けなくなってしまいます。
書く時は「俺、おもしろい!」と自分を褒めながら、読む時は「こいつ全然ダメだな」と自分をけなしながら推敲することで、読まれる文章を書いていきます。

「自分ごと」で話題になるネタを生み出す

「自分ごと」にできる分野には反応しやすい

話題になるようなネタを生み出すキーワードは、「自分ごと」です。読み手が「自分ごと」にできるような分野には、かならず需要があります。
読み手の「自分ごと」にしてもらいやすいエネルギーのあるテーマが、5つ挙げられていました。

「自分ごと」にしてもらいやすいエネルギーのあるテーマ

  1. お金(仕事、働き方を含む)
  2. 食欲
  3. 恋愛・結婚・家庭
  4. 健康
  5. 教育

これらのテーマと、自分の得意分野・専門分野を掛け合わせることで、自分にしか書けない記事が書けます。

「作文の秘訣とは何か?」の問いに対して、作家の井上ひさしさんがとてもシンプルで本質的な答えを出していました。

作文の秘訣を一言で言えば、自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くということだけなんですね。〈中略〉
書いたものが面白いというのは、その人にしか起こっていない、その人しか考えないこと、その人しか思いつかないことが、とても読みやすい文章で書いてある。だから、それがみんなの心を動かすわけです。

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle137ページ
『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』より

「なぜ、この文章は読まれないんだろ?」と悩んだ時は、上の「自分にしか書けないことをだれにでもわかるように」を思い出してみると良いかもしれません。

メリットを示して、読みたくなる動機をつくってあげる

動機を作るためにいちばん有効なのは「それを読むとどんないいことがあるのか?」を示すこと、つまり「メリットを示す」こと

竹村俊助「書くのがしんどい」,PHP出版,2020年7月,Kindle139ページ

ここでは薬のパッケージを参考に説明しています。薬のパッケージには必ずと言っていいほど「成分」と「効能」が書いてあるように、メリットが示されているものに人は反応します。
効能が書いてなければ薬はきっと売れてないでしょう。ただ「タウリン入ってます!」と書かれていてもよくわかりませんが「滋養強壮!体力回復!」と効能も書かれていることで、人が飛びつきます。

人はポジティブなことよりもネガティブなことの方が反応してしまいます。
ただ、ネガティブ訴求は内容との齟齬が出やすく、読み始めてから「煽ってるだけじゃん」のような感想を抱きやすい気がします。
僕はネガティブ訴求ではなく、ポジティブ訴求をどんどんしていきます!

世の中の動き(文脈)を見て、世界に何を伝えられるかを考える

世の中の動き(文脈)を見て発信せよ

この章では要するに「マーケティングをしましょう」ということが書かれています。

インターネットを使えば誰でも発信できる一方、誰もお膳立てはしてくれません。ネット時代の書き手になるためには、マーケティング感覚があるかどうかの違いが大きいのです。
そのため、「どこにどういう文脈があるか?」を把握し、人が多くいる文脈にどう文章を乗っけるかが重要です。

別の表現をすると、「世の中が求めていることを、求めているタイミングで発信する」ことだと理解しています。

スケールが大きいかもしれませんが、考えるべきは「世界に対して発信すべきことはなんだろう?」「何を伝えるとみんなが喜ぶだろう?」のマインドを持つこと!
経営者兼YouTuberのマコなり社長も「誰のどんな問題を解決しているのか?を考えろ」と部下によく言っているそうです。

前編の最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

ご覧のとおり、書評というか要点(僕が気になったところ)を並べるだけのものになっていますが…。
僕みたいに「何か書こうと思っているんだけど」という人にぴったりな本だと思います!

それではまた後編の記事で!


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